医療ガス取扱の予備知識 Preliminary Knowledge

医療ガスを安全に使っていただくために、予備知識をまとめました。
不明点、ご質問があればお問い合わせください。

  • ガスについて
  • ボンベの取扱
  • 医療機関内での取扱
  • その他

ガスについて

高圧ガスとは

当社で取り扱う医療用ガス、研究・分析用ガスは、いずれも「高圧ガス」に該当します。
「高圧ガス」とは、高圧ガス保安法に詳しく定義されていますが、わかりやすくまとめますと下記のようになります。当社が取り扱うのは、下記のうち01、02、03になります。

  • 01
常用の温度及び温度
35℃、1.0MPa以上の
圧力で存在する圧縮ガス

    酸素、窒素など

  • 02
常用の温度及び温度
15℃、0.2MPa以上の
圧力で存在する液体ガス

    液体アセチレンガス

  • 03
常用の温度で0.2MPa
以上の圧力で存在し、
0.2MPa以上となる
場合の温度が35℃以下
である液体ガス

    液体酸素、液体窒素、炭酸ガス、亜酸化窒素 ガスなど

  • 04
温度が35℃で、0MPa
を超える03以外の
液体ガス

    液化シアン化水素、
    液化ブロムメチル、
    液化酸化エチレン

保安管理上からは、次のように分類できます。

  • 容器にガスが高圧充てんされたもの

    容器にガスが高圧充てんされたもの
    酸素、窒素など

  • 容器に液体ガスを充てんしたもの

    容器に液体ガスを充てんしたもの
    液体酸素、液体窒素

  • 容器内で気液平衡状態となっているもの

    容器内で気液平衡状態となっているもの
    炭酸ガス、亜酸化窒素

酸素、窒素などの圧縮ガスは、容器内の残量も確認しやすいですが、気液平衡状態となる炭酸ガスなどは、外気温によって圧力が変動するので、メーターの表示からガス残量を予測しづらいことがあります。
液体ガスは、温度があがると液体が気体になり、その体積は通常700~800倍になります。
配管内に密閉されていると非常に危険なため、しかるべき措置をとり、定期的な保守点検が必要です。

医療ガスの種類

医療用ガスは薬事法で「医薬品」として明確に規定されているガス(日本薬局方)と、そうでないガス「局方外医薬品」の2種類があります。日本薬局方に収載又は製造販売承認を受けたガスは、薬事法に従い、医薬品として製造・販売されなければなりません。また、医療用ガスを医薬品として医療機関等に納入する際は、高圧ガス容器に充てんするため、「高圧ガス保安法」にも従って取り扱う必要があります。

医療用ガス(薬事法で規定するガス性医薬品)
酸素 / O2 酸素(日本薬局方収載)/ 液体酸素(局方外医薬品)
窒素 / N2 窒素(日本薬局方収載)/ 液体窒素(局方外医薬品)
二酸化炭素 / CO2 炭酸ガス(日本薬局方収載)
亜酸化窒素 / N2O 笑気ガス(日本薬局方収載)
上記以外の混合ガス 承認による局方外医薬品
滅菌ガス 酸化エチレンと炭酸ガスの混合製剤(局方外医薬品)
キセノン / Xe キセノン(局方外医薬品)
薬事法で医薬品に規定されていない医療ガス
医療用の酸素濃縮空気 -
医療用の吸引 陰圧のガス
医療用の手術器機駆動に用いられるガス 大気を圧縮した空気及び窒素
医療用臨床検査、測定器に用いられる計器の校正用ガス CO2、CO、He、N2、O2、C2H2
生体機能検査用ガス等 各種混合ガス

圧縮ガスと液体ガス

  • 圧縮ガス

    酸素、水素、窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、キセノン、クリプトン、エタン、空気、 一酸化炭素、一酸化窒素、その他圧縮ガス全般

    容器をL(リットル)又はm3(リューベ)と表記し、取引します。

  • 液体ガス

    液体酸素、液体窒素、液体アルゴン、液体ヘリウム、液体アンモニア、炭酸ガス、液体水素、液体亜硫酸、液体硫化水素、笑気ガス(亜酸化窒素)、塩化水素、フロン、液化エチレン、その他液体ガス全般

    kg(キログラム)又はm3(リューベ)と表記し、取引します。

容量 / 重量をお間違いのないように、ご注文ください。